森林太郎は葉巻が好きだったようで、小説の中にも時々葉巻に関するくだりがある。小倉時代を表現したと言われる「鶏」の中にも、【…石田が偶に呑む葉巻を毛布にくるんで置くのは、火薬の保存法を応用しているのである。…】との表現がある。石田というのはモデルが林太郎自身とされているので、鴎外も毛布にくるんで葉巻を保存していたのかもしれない。
小倉から母親に宛てた手紙の中では、【…晩食し直ちに葉巻一本咥えて散歩に出て申し候一本がなくなるまで小倉の街を縦横無碍に歩めば…】と書いており、食後の一時間ほど小倉の街を葉巻を加えながら逍遥していた姿が見えてくる。
食後の緩やかな散歩は、体に良いとされており、鴎外も【至極体によろしく候】と書いているが、葉巻を呑みながらでは散歩の効果は相殺されたかもしれませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿